こんにちは。なでしこ和美人越後 前山豊子です。

皆様にとって2023年はどんな一年だったでしょうか?慌ただしく過ぎた一年でしたが、2023年もたくさんの「人」「もの」「こと」に出会うことができました。一年の集大成、そして私にとりましても形にしてお伝えしたかった着物の核心「フォーマル」について学ぶ会を開きたい、という夢が今回たくさんの方々のお力をお借りして実現することができました。

大好きな着物で過ごす「フォーマルの会」

今回は、このお着物の会に込められた思いを少しお話してみようと思います。

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酒蔵を素敵な空間に~「山の蔵」~

この度のフォーマルの会の会場は、私のふるさとでもあります”加茂市”の山重様の「山の蔵」を使わせていただきました。加茂市は桐ダンスが有名で、さらに小京都といわれるほど、お着物が似合う静かな町です。私も、お嫁に来るときは桐ダンスをもってお嫁にきたものです。今でも大切なお着物たちを安心して仕舞っています。

「山の蔵」はかつては加茂錦酒造様の酒蔵だったものを、山重様が素晴らしい空間にと変えました。前に伺った時に、いつかここで着物のイベントができたらいいな、、、と考えていたのです。

以前人力車の撮影会でを始めて拝見いたしました。その時の様子はこちらからご覧いただけます

この時にご参加いただいた方も何名か、このフォーマルの会にもご参加いただきました。嬉しかったです。

昭和のお着物たち

今回は、草月流で学ばれている片野奈緒美様から、この会場とお着物に似合うお花を生けていただきました。また、片野様の遠い親戚にあたる80歳の十日町の現役職人の”春おばさま”の家にあった素晴らしいお着物たちを、今回皆様にご披露いただきました。

昭和のお着物たちは、繊細な技術の結集。そして「糸」が違う!!

今、純正の国産繭は全体の1%と言われています。昭和のお着物全盛期では十日町はもちろん、身近に蚕様を家の二階で飼っていたものでした。日本の繭、日本のお水から作られる糸は、柔らかく細い。だからお着物になった時の柔らかさ、しなやかさ、今では再現できない技術に溢れています。実際に目でみて、手で触れて感じてほしかったのです。本当のお着物を。どれも素晴らしいお着物たちでした。

華やかに添えていただいた帯は、三条市の三桝屋様よりお借りいたしました。帯が加わるとまたより豪華ですね!素敵でした。

メイク講座と前結び着付け

開会の挨拶の後は、HIROMI先生による若見え美肌・メイク講座から!

失敗しない眉の描き方や、チークをいれる位置など、先生の楽しいトークに皆様くぎ付け!!!

大人になると、若いときのようなメイクではカバーできなくなってきます。特にお着物を着た時はちょっとしっかりメイクでより気品ある自分を演出したいものですから。

今回は、ヘアメイクをしていただいた方もいて、いつもよりぐっと美しく素敵でした。

メイク講座の後は、前結び着付けのデモンストレーション!

デザイナー紫藤尚世コレクションの紬姿をご披露いただいた片野奈緒美様にも、前結び体験していただきました。紬にぴったりの角だしで。めちゃめちゃカッコよかったです。ポージングもバッチリ!

もう一人のモデルさんは、着付けやヘアで私の力になって頂いている純子さん。上手にできました。ご協力ありがとうごさいました。

前結び着付けの良いところは、お太鼓の柄や大きさをいくらでも直せちゃうところ。回しているのに崩れない。画期的な着付け方法です。いつまでも後ろに手をやってると、手がつっちゃう!だんだん後ろが厳しいですよね。お着物を長く楽しむためにも簡単・キレイな前結びをおすすめ致します。

なでしこ和美人越後では、着付け教室体験会も定期的に行っております。どうぞ気軽に遊びにいらしてくださいね。お待ちしております。

着物の格とフォーマル

着物には「格」の高さを表す意味でも、ランクがあります。

ステージで格の高い順に並んでいただきました。

左側から、私の着物は「黒留袖」。既婚者ミセスの第一礼装で最上級のお着物と言えます。ちなみに未婚の女性の第一礼装は「振袖」になります。私のお隣が準礼装のなる「訪問着」、そして「付け下げ」、「色無地」、「小紋」の順にフォーマルからカジュアルになっていきます。

黒留袖は、結婚式で花嫁花婿両家の母が着るものになってしまい、滅多に着れないお着物になりました。

私がお嫁に来た40年前くらいは、お嫁さんをもらう側、つまり前山家の親族の女性は黒留袖を着ています。お仲人さんという、間に入って下さるご夫婦がいらっしゃって、それはそれは大役でした。

この頃は、家と家の結婚から、友人たちが作る結婚式へと変わる時代の流れの中にありました。

ミニランウェイショー

ランチは、山重さん自慢のお料理。皆様大満足でした。

いや~、豪華です!艶やか。

お食事の後は、皆様が主役のミニランウェイショー!思い思いの今日の衣装についてお話していただきました。

着物愛が溢れて、お一人お一人今回のお着物に込めた思いをお伝えしていただきました。とっても輝いていました。フォーマルは、着る側も、観る側もしあわせにする華やかなお着物。会が豪華になり引き締まります。

今回は、ご結婚が決まった大切な方に、私が結納の時の「付け下げ」を着ていただきました。そしていつも撮影会でお世話になっている順子さんには、70歳の古希のお祝いも兼ねて、ご自身が20歳の時にお召しになった50年前の振袖を今回着ていただきました。

それはそれは素晴らしい振袖で、今では作れない可愛らしい振袖を、ご来場のみなさまにもお見せしたくて、ご披露いただきました。とっても可愛いのに上品。やっぱり日本てすごいなー!と心から思いました。

この付け下げも喜んでいます。私も嬉しかった!着ていただいてありがとうございました。そしておめでとう!!!

素晴らしい仲間たちに恵まれ、自分一人ではできなかった、心温まる会をつくることができました。

本当にありがとうございました。

田村健太カメラマン、大平カメラマン、お二人の素敵な写真に心から感謝です。

「格」の本当の意味とは

先ほど、お着物の第一礼装からカジュアルへと「格」のランクの紹介をいたしました。

間違ってほしくないのですが、お着物を選ぶ時、自分がよく見えるものや素敵なお着物を選ぶ気持ちも理解できます。けれど、一番に考えていただきたいのは、そのお着物を着ていく場所はどんな所なのでしょう?どのような方々が集まり、何をする会なのか。把握できているでしょうか?

また、あなたをご招待してくださった方が、あなたのお着物で恥をかくようなことがないか、その方が周りからの信頼を失うことがないか。相手への配慮や思いやりを忘れてはいけません。誰が主役なのかを考えましょう。その上で、あなたに似合うお着物を選び、その会を盛り上げ祝う。そんな心遣いのできる、素敵な女性になってください。

これから、卒業式、入学式など春はフォーマルの季節。どうぞ今年はお着物でお祝いしてみませんか?きっと素敵な思い出になりますよ!出張お着付けも承ります。レンタルなども含めお気軽にご相談ください。

フォーマルにはこのようなやや細かな決まりごとがありますが、カジュアル着物はお洋服感覚で楽しめますから、あなたの個性をぐっと伸ばして自由に着こなしましょう。楽しんでくださいね。

体験会のご案内(3月)

なでしこ和美人越後では、着付け教室(自装・他装)、食事のマナー、茶道、着物で美しい立ち居振る舞いなど、様々な体験会を行っております。お気軽にお問合せください。

3月10日日曜日 11:00~12:00  前結び着付け体験会

3月12日火曜日 はじめての茶道体験会

3月14日木曜日 「和食のマナー」ランチでプチレッスン(ランチ代のみご負担ください)

各会、限定3名様 参加費:無料

会場:なでしこ和美人越後(前山自宅)駐車場:敷地内にあり

ランチ会場は個別にご連絡いたします。

〆切:開催日2日前までにお申し込みください。

(公式LINEのお友達登録からも受け付けております)

日本の文化、お着物を理解し、もっともっと楽しみましょう!!!