出会いは「宿命」、その出会いをどう育てるのかが「運命」
仕事は「人」で決まります。社内の上司、同僚、部下、そして取引の相手。どんな仕事でも、かかわる人との関係しだいでよくも悪くも変わってきます。それなのに、人との「出会い」とは何なのか、その意味や定義を深く考えていない人が多いのではないでしょうか?
考えてみてください。あなたは、なぜその人と出会ったのでしょう。
どうすればいい関係を築き、いい仕事に結びつけることができるでしょうか。
「宿命」と「運命」
もう一度「宿命」と「運命」の違いをここで思い出してみてください。
宿命とは、自分が持って生まれたもの。国籍、性別、家族など、自分では変えられないものです。一方、運命とは、自分が努力すれば変えられるものです。
たとえば、器量よしとはいえない外見は宿命。それをメイクやファッションで努力し、魅力的な人になるのは運命です。以前ケーキのスポンジとデコレーションでお話したことを覚えていらっしゃるでしょうか。ケーキのスポンジの部分が宿命で自由に変えられるデコレーションが運命です。
人との出会いにも、この「宿命」と「運命」があります。
偶然に出会う人は一人もいません
私たちは、自分の中にある性質と同じものを持っている人と出会うようにできています。たとえば、とても優しく明るい人と出会ったとしましょう。それは、あなたの中にも優しく明るい部分があるということです。反対に、嫉妬深く意地悪な人に出会ったときも同じです。認めたくないかもしれませんが、あなたの中にも、同じ嫉妬深く意地悪な部分があるということなのです。
意地悪な人に出会ったとしても、もしもあなたの中に意地悪な部分がなければ、相手の意地の悪さは表面に出てきません。こんな人いませんか?「あの人はAさんには意地悪だけど、Bさんに対してはいい人になる」という話がよくあるのはそのためです。つまり、出会う人はすべて自分を映し出す「鏡」です。相手のなかに「自分」が映し出されているのです。
自分に同じものがなければ、そこまで反応しません。その出会いによって生まれた感情で、本当の自分があぶり出されてしまうものなのです。究極は、優しい人はたとえ底意地の悪い人に出会っても、その人のいいところ、優しい部分と結びつくのです。100%悪人は一人もいません。トラブルが少ない人は、この法則に気づいています。相手の悪い部分を出させない、自分と同じ、良い部分を引き出す心を持っているのです。
悪い出会いはひとつもありません
意地悪な人との出会い=不運ではありません。どんな出会いも幸いなのです。それは、「鏡」を見れば自分の姿がわかるからです。そこから未熟な自分を理解し、成長することができるのです。
生まれてから今まで「いい人」としか出会ったことがないわ。なんて人はいませんね。みんな誰かしらに傷つけられ、嫌な思いをしてきたはずです。ですが、冷静に考えた時、その人から学んだことは大きいはず。良い思い出よりもずっと、あなたを成長させたはずです。そして磨かれたたましいが成長し、よき出会いに結びついていくのです。どんなこともあなたに必要だった出会いなのです。自分を育ててくれた悪役にこそ「感謝」なのです。悪役がいてこそ物語が味わい深くなるものだから…。
運命を切り拓く鍵
苦手な相手に出会ったなら、この出会いにどんな意味があるのかを分析してみましょう。そして、その人の何が引っ掛かって嫌なのか、自分と向き合ってみてください。相手のこれまでの生きてきた環境など、すこし広い視野で物事をみてください。
努力していい関係を築こうという気持ちで接すれば、必ずそれは高い波長となって相手に届きます。すぐには無理でも、少しづつあなたが変わることで相手は変わってくるのです。時間はかかっても、そうした努力を積みかさね、運命を切り拓き、職場に認められた人はたくさんいます。
また、第一印象はよかったのに「こんな人だと思わなかった」という場合も、それで終わるのではなく、お互い、ここからが本当の出会いが始まったのだと思いましょう。運命の出会いのスタートです。ここからどんなふうに出会いを育てていくのか、今こそあなたの成長のチャンスです。
どんな出会いも、奇跡の中にあります。あなたにとって大事な出会いです。相手を変えるのではなく、自分が変わること。運命を切り拓こうとする意欲がまた、素晴らしい出会いとなり、良い仕事へと繋がっていくのです。善き種を蒔けば必ず善きものがあなたに返ってきます。あなたの行動がすべてのはじまりだと心に刻みましょう。魅力的な人に「人」も「仕事」も集まってきます。
今日も素晴らしい一日を。
いってらっしゃい(^^)